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下肢のむくみと腸腰筋の秘密

2019年4月10日 magazine
執筆者:笹川大瑛

こんにちは!理学療法士の笹川です。

前回は腸腰筋が大事と言われている理由についてお話しました。

漠然と

「インナーマッスルだから大事」

だとか

「唯一、下肢と体幹をつないでいる筋」

とか、何となく大事と言われて
いてもピンとこなかった方もいると思います。

なぜ、腸腰筋は下肢の筋で
最も重要であるか、という理由を
知りたい方は前回のメルマガを読み
直してくださいね!!

ということで、

今日は足のむくみ(浮腫)と腸腰筋の関係についてお話します!!

浮腫は一般的に、

下肢の循環不全によって
引き起こされると考えられています。

エコノミークラス症候群といって

飛行機に長時間乗るなど
座りっぱなしになることで、下肢の
循環不全が起きると言われています。

実際の現場で下肢の浮腫は

・骨折後の人工股関節関節術後

・心疾患

などによくみられるのですが、
その際にはリンパドレナージと
言われるような手技が行われます。

ただ、これらの足のむくみというのは
“腸腰筋へのアプローチで改善することがほとんど”です。

腸腰筋は腰椎から小転子へ
着いており、大腿動脈や大腿静脈、
さらに鼡径リンパ節あたりに近い部位に
存在しています。

腸腰筋が過緊張になると
これらの血管やリンパ節を
圧迫することになります。

これは統計ではなく私の経験上ですが、

腸腰筋が過緊張を引き起こされている患者さんほど、下肢はむくみやすいです。

片側の人工股関節の置換術後に、
両下肢とも浮腫が強くなるケースも
多々みられます。

つまり

人工股関節置換術のように、

手術によって股関節周囲の筋に
炎症が起きて循環不全が引き起こされ
下肢がむくむと思われがちですが、

“実は術後の筋緊張が上がるだけでも簡単に下肢の浮腫は起こってしまう”のです。

そして

この足のむくみに対して行うことは、
多裂筋への筋収縮です。

「え!?」

むくみに対して多裂筋??

って思われがちですが、以前も
お話したように腸腰筋の過緊張は
多裂筋の筋力低下によって引き起こされます。

多裂筋へ収縮を入れると腸腰筋はどんどん緩みます。

腸腰筋が緩めば

圧迫されていたリンパ節や大腿静脈は
解放されるため、たった一日のアプローチでも
ものすごく改善するのです。

これは心疾患の方に行っても改善していきます!

じゃ、実際にどうやって

腸腰筋の過緊張を調べ、どのように施術するかというと

1 腸腰筋の停止部(鼡径部)で圧痛を取る

2 痛がれば腸腰筋は過緊張であるので多裂筋を収縮させる

という流れで行っていきます。

多裂筋の収縮は

1 仰向けのまま患者さんの両下肢を
セラピストの足や大腿部に乗せて
下肢を挙上位にします。

2 そのまま、両臀部を浮かせるように
ヒップアップさせるだけです。

一般的にヒップアップは屈膝臥位といって、

仰向けの状態で膝を立てた姿勢で
行われますが、多裂筋は股関節が
曲がった状態では働きにくくなるので、
なるべく下肢は伸展位のままヒップアップさせていきます。

「嘘だろww」

とそんな簡単にむくみが取れるのかと
思われがちですが、即効でむくみが
改善しますのでぜひやってみてください^_^

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笹川大瑛

笹川大瑛(ささかわひろひで)

剣道六段。スポーツを科学で上達できないのか模索し続けて、現在も理学療法士として姿勢や運動の研究をしている。自分で関節の痛みを改善できる「関トレ」を出版。人の動きを根本的に変えていくことを得意としており、関節の痛みだけではなく、トップアスリートのパフォーマンス向上にも貢献している。

また、施術法としての「JTAフラッシュリプロ療法」を考案し、理学療法士などのリハビリ職種だけではなく、柔道整復師、鍼灸師、整体師、これから整体師になりたい人向けに誰でも関節の痛みを改善させられる技術を教えている。過去の教え子は、国内では北海道から沖縄まで、また、イタリアやオーストラリアなど海外も含めて500名以上。

・JTAを習得して半年後にはプロ野球選手と契約
・週3日夕方からだけの営業で月商200万円以上
・学生にも関わらず施術の予約がやまず、学校に行きながらも空き時間だけで月商50万円以上
・人口の少ない山の中の田舎整体院にもかかわず、2ヶ月先まで予約でいっぱいに。
・素人の主婦や美容師でも圧倒的な自信を持つ施術を身につけ、プロ治療院でも治せない不調に対応。

などなど、施術スキルを誰でも向上させることを得意としている。

「関節の痛みのない世の中を実現する」

というビジョンを掲げ、施術家コミュニティを運営し「本当に改善できる技術者」の育成に尽力している。

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