膝でみるべき歩行分析
こんにちは!
理学療法士の笹川です。
以前に、
関節の痛みの原因を調べるために
「病態評価」を行うことをお伝えしました。
どこの組織が、
どんな位置から、
どのように動いて
痛みが生じているのかを調べるのです。
膝関節では鵞足部に脛骨が外側へ
異常に捻じれるストレスがかかって、
しかもそれが階段を降りる際に、
生じている、
というようなお話しです。
このセグメントでは、
その病態評価を踏まえて
”なぜ組織を痛めるような動作をしてしまうのか”
を調べる方法を伝授したいと思います!
これは「機能評価」と呼ばれるものであり、
「じゃ、なんで脛骨が外側へ捻じれるのか?」
を調べる方法でもあります。
このように分けて考えると…
病態評価は
『痛みが生じている原因』
機能評価は
『痛みを生じさせる動作がおこる原因』
というふうに考えることができます。
結構初めて聞く方には
難しい内容だと思いますが、
繰り返しになります。
先ほどの例で行くと
膝の痛みの原因(=病態評価)は、
鵞足部を脛骨が捻じれることで
牽引ストレスが生じ
痛みが出ることになります。
脛骨が外側へ捻じれる原因(=機能評価)は、
内側ハムストリングスが
筋力低下を起こしていると、
脛骨の動きを制御できず、
異常に脛骨が外側へ捻じれる
というようになります。
くどいくらい説明していますが、
かなり重要なので勘弁してください(笑)
で、本日はその機能評価の
方法についてお話ししたいと
思います!!
機能評価は簡単に何をするのか
といえば…
(1) 関節可動域テスト(ROM)
(2) 筋力テスト(MMT)
(3) 動作分析(歩行分析)
ざっとこんな感じです。
これで異常な動作が起こる原因を
調べることができるのです。
今日はその歩行分析の方法に
ついてお話ししますが、
初めてだと難しいので
歩行分析は2回に分けて
お話ししますね(^^♪
実際にやってみましょう。
変形性膝関節症の動作分析の仕方です。
まずは歩き方をみてください。
歩いているときは
・ 真正面から見たとき(前額面)
・ 真横から見たとき(矢状面)
に分けて考えるのがよいです。
真正面から見たときは…
【1】
股関節部で
トレンデレンブルク徴候がでているのか、
それともデュシャンヌ歩行がでているのか
【2】
膝がどのように動揺しているか
(外側か、内側へ動いているか)
【3】
つま先がどこを向いているか
(外側か、内側へ向いているか)
真正面から見たときはこの3つは
必ずみてください。
トレンデレンブルク徴候とは、
股関節が内転しながら歩いている
ことになりますが、
モデルさんの歩き方はほとんどこれです。
お尻を左右にフリフリして歩いていますが、
骨盤の重心移動が左右へ大きい分、
お尻の筋肉で支えていない歩き方です。
※画像はネットより拝借しております
このような歩き方を繰り返していると、
腰を安定させる「多裂筋」や「内転筋」が
どんどん萎縮していきます。
その逆がデュシャンヌ徴候なのですが、
股関節を外転させながら
体重を乗せて歩きます。
本来体重を乗せた時に、
腸腰筋が支えとなって
殿筋が働いてくるのですが、
それができないため、
股関節の屈筋である大腿筋膜張筋が
パンパンに張ってきやすくなります。
これも繰り返し歩いていると
腸腰筋を使わないので、
腸腰筋が筋力低下を起こし、
同時にハムストリングスも一緒に
筋力が落ちていきます。
【2】では膝の動揺をみていくのですが、
大半の変形性膝関節症の方は
膝が外側へグラグラしています。
海外では内側へ動揺する人が多いようです。
最後は【3】なのですが、
元々偏平足があれば、膝は内側へ
グラグラしやすくなりますし、
足の向きも外側へ向きやすくなります。
逆につま先が内側に入ると
体重は足部の外側を通りやすく
急激に内側へ体重が移るので、
外反母趾になりやすいです。
これらの特徴を踏まえつつ、
患者さんの歩き方をみるだけで
どこの筋力が弱いのか、関節が固いのか、
ある程度予測することが可能になります。
しかし
歩行をしっかり見ることができても
これは”予測でしかない”のです。
それをきちんと正確に調べるために、
関節可動域や筋力テストを改めて
行うことで、
異常動作が
”どんな機能障害によって引き起こされるのか”
を調べることができます。
本日も長くなりましたが、
歩行分析や理学療法で
「超」がつくほど重要であり、
むしろ、
これさえできれば、
何をすれば関節の痛みが取れるのか分かる
ようになるので、
慣れるまでは何度もチャレンジしましょう。
このセグメントでの要点をまとめると…
痛みを起こす動作の原因
(=機能評価)
をするためには、
(1)関節可動域
(2)筋力テスト
(3)動作分析(歩行分析)
を行います。
そこで変形性膝関節症の歩行分析の
行い方として”真正面から”見た場合…
【1】
トレンデレンブルクまたは
デュシャンヌ徴候どちらがでているのか
【2】
膝がどのように動揺しているか
(外側か、内側へ動いているか)
【3】
つま先の向きはどちらを向いているか
この3つを歩行分析で
みるようにしてください。
これらが見れるようになると
あるパターンが分かってくるのですが…w
このパターンさえ知っていれば、
施術で何をすればよいのか分かる
というパターンです。
根気強く、【病態評価、機能評価】
ができるようになってください!!
後になって
「そうだったのか…」と
腑に落ちるときがやってきます。
今まで疑問に思っていたことも解決し、
膝の痛みで悩む患者さんを
泣かせる必要がなくなりますので、
ぜひ実践してみてくださいね(^^♪
それでは、今回は以上です。
参考にしていただけましたら幸いです。
笹川大瑛
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