肩の外旋筋が痛みを引きおこす
こんにちは!理学療法士の笹川です。
今日もご質問いただきましたのでそちらの回答をしたいと思います。
今日の内容は『肩関節の筋肉』についてなのですが、私も肩のリハビリに関して非常に悩んだ過去がありました。
「自分のモビライゼーションのやり方が悪い?」「肩のインナーマッスルがなぜ効かない??」
など、教科書や論文を読みまくっても答えがなかったので相当悩みました。
特に・肩を回旋させる筋力が上がっていかない
ケースが非常に多く筋力が弱いとは分かっていても、どうすれば改善するのか解決策が全く見当たらなかったのです。
で、今日のメルマガを読んでいただければ肩の後面痛が引き起るメカニズムが分かるようになりますのでぜひ最後まで読んでください。
いただいたご質問の内容を以下に記載しました。
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いつも勉強させていただいています。ありがとうございます。
前回の記事について質問させてください!
上腕三頭筋長頭は肩関節の外旋筋でありココが弱くなると棘下筋や小円筋が過緊張を引き起こすのです、
とのことですが、内旋筋ではないでしょうか?
外旋させても、三頭筋は働かないと思います。
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こんな感じです。
おさらいですが、肩関節のインナーマッスルは
・棘上筋(きょくじょうきん)
・棘下筋(きょっかきん)
・小円筋(しょうえんきん)
・肩甲下筋(けんこうかきん)
この4つの筋肉と言われています。
厄介なことに、肩関節の炎症が続くと棘下筋や小円筋は異常に萎縮してしまいます。
肩関節を触診してみると凹んでいるのが分かるくらい。
なので、
棘下筋や小円筋は筋力が落ちているから肩が上がらないんじゃないか、と考えるのが普通です。
まずこの図を見てください。
肩関節の後ろを走行している筋肉はすべて外旋筋となります。
筋肉は始まりと終わりが近づくゴムのような働きをしますので、肩の後ろの筋肉が縮まれば肩を外旋させます。
その代表格が棘下筋であり小円筋です。
しかし、他にも肩の後ろを通っている筋肉はあると思います。
表層の筋肉は排除していますが三角筋の後部線維も肩を外旋させます。
そしてもう一つは
上腕三頭筋長頭が肩の後ろを通っているので外旋筋なのです。
※上腕三頭筋の内側頭や外側頭は肘の動きだけなので
肩の動きをするのは長頭のみ
質問者さんもメルマガを読んでいる方も実践していただきたいのですが、
手を前方に出して(肩関節を屈曲させて)肘を伸ばしたまま肩を外旋させてみてください。
※結構力強くやってみてください^_^
そうすると肩の真後ろにある棘下筋よりも上腕三頭筋に力が入っていることを確認できると思います。
私はこのことを発見してから
『上腕三頭筋をはたらかせた後に肩外旋の筋力や可動域がどのように変化するか』
を色んな人に試し始めました。
結果として・肩の後ろの痛みを引きおこす棘下筋や小円筋がゆるむ・肩の外旋可動域が改善していく
という現象がみられるようになります。
この結果から考察すると、肩を痛める人の手順はこうです。
①上腕三頭筋のはたらきが悪くなる=サボる
②棘下筋や小円筋は過緊張になる
③肩でインピンジが起きやすくなる(衝突する)
④肩の炎症が起きる⑤棘下筋や小円筋は萎縮する
という流れで肩の動きが悪くなるのですが
簡単に言ってしまえば
肩を外旋させるとき上腕三頭筋も本来ははたらくべきなのですが、
サボってしまうので代わりに棘下筋や小円筋はガンバって固くなってしますということです。
上腕三頭筋がはたらけば棘下筋は正常に働くことができ、肩関節のアライメント(骨の位置)は適正化されます。
この状態でトレーニングしなければ筋力が上がっていかないのです。
実際いかがでしょうか?
野球選手をリハビリしたことがある人は分かると思いますが、
積極的にチューブトレーニングしても筋力が上がらないケースが多いです。
むしろ、無理してトレーニングすると痛みが強くなったりします。
身体というのは目的とする動きを全身で行おうとします。
肩を外転させる動きでは実は肩甲骨を内側に寄せる菱形筋や僧帽筋も同時にはたらきます。
全身の筋肉が強調してはたらかせられれば、肩の動きが改善していきますのでぜひ参考にしてほしいなと思います^_^
まとめると・・・
・肩の後面痛の多くは棘下筋や小円筋の過緊張
・上腕三頭筋は隠れ外旋筋である
・上腕三頭筋が働けば、棘下筋と小円筋も
共同して働くので筋力がアップしやすくなる
ということです!!
教科書に載っていないことはたくさんありますのでぜひ施術の現場で実践して確かめるくらいの意気込みで頂ければと思います!
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