前鋸筋が弱いと首が固くなる
こんにちは!理学療法士の笹川です。
前回は肩甲下筋の単独収縮についてお話しましたが、大胸筋が代わりに働きすぎるのを防ぐのにとても有効です。
ぜひやってみてください!
今日は前鋸筋についてですが
前鋸筋だけを働かせられると
・TOS(胸郭出口症候群)の痛みが速攻で改善できる
・ストレートネックなど首のだるさを取れる
ようになります。しかし
色々なトレーニング技術や施術をみても前鋸筋がほとんど働いていないので驚きます。
「前鋸筋が大事」
と言っている人は多いですが「何が重要なのか」
までしっかりと説明できる施術家の先生をあまり見たことがありません。
一般的には
・肩甲骨を安定させる
・肩甲骨を上方回旋させるので、 肩甲上腕リズムをだしてくれる
・弱くなると翼状肩甲になる
※肩甲上腕リズムとは肩を挙上して いくときに肩と肩甲骨の動く範囲が 一定の割合で動く機能
ということです。
もっと深く突っ込んでいくと
前鋸筋は肩の動作時に肩甲骨の外転動作(外側に移動する)に強く関与するのですが、
ココが弱くなるとできなくなります。
そうすると・・・
肩甲骨を外転させられる”他の筋肉”がかばうように働きます。
この他の筋肉とは
前回もでてきた『小胸筋』です。
教科書にも小胸筋が肩甲骨を外転させることは書いてありますので確認してみてください^_^
前鋸筋が弱くなる⇒ 小胸筋が肩甲骨を外転+下方回旋させる
ため、肩甲上腕リズムが一気に崩れていきます。
さらに、小胸筋が過剰に働くのでパンパンに働くと肩甲骨はどんどん外側に引っ張られていきます。
肩甲骨が両方とも外側に引っ張られるのは弓矢に似ているのですが、
矢を引いているときは肩甲骨が内側に寄っているのと同じです。
矢を離すと弓についている弦はピンとまっすぐになり、矢を押し出します。
この時、弓の両端は離れるわけです。
肩甲骨でいうと外側に引っ張られた状態です。
ま、バンジージャンプも同じ原理です(笑)
要は肩甲骨が開き続けると、矢を放った時にように胸椎は押し出されます。
胸椎は後弯しているはずなのですが、これがストレートになるということです。
その上にある頸椎もストレートにならざるを得なくなります。
頸椎がストレートになること自体は問題ないのですが、頸椎と肋骨の距離が長くなります。
そこについている筋肉は
『斜角筋』
というわけです。
ストレートネックだから、首こりがひどくなるのではなく、
頸椎と肋骨の距離が変わるから斜角筋が引き伸ばされ、首コリになるわけです。
話しは長くなりましたが、まとめると
1 前鋸筋が弱いと小胸筋が働きまくる
2 肩甲骨が外側に引っ張られると 胸椎はストレートになる
3 頸椎と肋骨までが長くなり、 斜角筋がパンパンになる
というわけで、小胸筋と斜角筋は同時に固くなるメカニズムがあるわけですね。
ということで、
前鋸筋は大事だよ!という話になりますが、教科書的なやり方で前鋸筋やっても残念ながら働きません(笑)
次回に、前鋸筋を働かせるポイントをお話しますので楽しみにしていてください^_^
【JTAメルマガの登録はコチラ】
最新のJTA情報を配信しています。