なぜ膝痛に大内転筋をするのか
こんにちは!理学療法士の笹川です。
以前、大学で膝筋力の実験をしました。
予想と反して・・・
膝の筋力がガクッと下がりました(笑)
どういう実験をしたかというと
現在主流になっている
変形性膝関節症に内転筋を鍛えつつ、
大腿四頭筋をなぜ鍛えるのかを調べたくて、
『内転筋だけ働かせたら膝の筋力はどうなるの??』
っていう疑問を解決するための実験です。
使用する機器は
・サイベックスという筋力測定器
(等速性、等張性、等尺性収縮
すべて筋力を計測できます)
その筋力測定器で筋力の測定と
大腿周径、身体特性を計測したのですが、
とくに大内転筋を促通する方法で筋トレすると
1 膝伸展筋力は低下する
2 脚伸展筋力は増加する
ので、膝の負担は減るんだけど、
膝の筋力が落ちてしまうという現象が
みられるのです。
膝伸展筋力=レッグエクステンション
脚伸展筋力=レッグプレス
って言った方が分かりやすいですね(笑)
要は変形性膝関節症の患者さんなど
膝の痛みを訴える人のほとんどが
レッグエクステンションで鍛えるわけです。
でも、本当はレッグプレスの筋力
つけなきゃいけないんじゃないの??って
いうのがこの実験でわかるわけですね。
『大内転筋というのは股関節の筋肉』です。
膝を動かすことはありません。
しかし、ちょ~詳しい解剖を伝えると
内側広筋は
内側広筋長頭(VML)と
内側広筋斜走線維(VMO)に分かれ
線維の方向が違います。
⇒ https://physitech.jp/salon/wp-content/uploads/2020/05/20190403223456.jpg
※画像はネットから拝借
とくにVMOは
起始:広筋内転筋腱板を介して大内転筋腱
停止:膝蓋骨内側縁および内側膝蓋支帯
となっています。
VMOは大内転筋から始まっているので、
大内転筋のテンションによって
筋力が左右するという訳ですね!
なので今回の実験結果から
1 大内転筋を鍛えると
内側広筋の筋力はアップする?
2 大腿四頭筋は鍛えずに
大内転筋を筋力アップさせた
3 脚伸展筋力(大内転筋)がアップし
膝伸展筋力(大腿四頭筋)はダウンした
という結果だったのです。
今回は健常者におこなったので
大腿四頭筋の筋力は
下がったように見えますが、実際に
大腿四頭筋萎縮が見える患者さんに
大内転筋をすると四頭筋の筋出力は
一気に上がります。
なので、
もう少し詳細を実験する必要は
ありますが、この実験で膝と内転筋との
関係はさらに詳しく理解できました^_^
※ちなみにさらに面白いことに
大内転筋は閉鎖神経と坐骨神経の
二重神経支配を受けているっていうのも
興味深いですよね。
内転筋群の中でも大内転筋は
股関節の伸筋としてみたほうが
よいかもしれません^_^
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