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なぜ膝痛に大内転筋をするのか

2020年5月8日 magazine
執筆者:笹川大瑛

こんにちは!理学療法士の笹川です。

以前、大学で膝筋力の実験をしました。

予想と反して・・・
膝の筋力がガクッと下がりました(笑)

どういう実験をしたかというと

現在主流になっている
変形性膝関節症に内転筋を鍛えつつ、
大腿四頭筋をなぜ鍛えるのかを調べたくて、

『内転筋だけ働かせたら膝の筋力はどうなるの??』

っていう疑問を解決するための実験です。

使用する機器は
・サイベックスという筋力測定器
 (等速性、等張性、等尺性収縮
  すべて筋力を計測できます)

その筋力測定器で筋力の測定と
大腿周径、身体特性を計測したのですが、

とくに大内転筋を促通する方法で筋トレすると

1 膝伸展筋力は低下する
2 脚伸展筋力は増加する

ので、膝の負担は減るんだけど、
膝の筋力が落ちてしまうという現象が
みられるのです。

膝伸展筋力=レッグエクステンション
脚伸展筋力=レッグプレス

って言った方が分かりやすいですね(笑)

要は変形性膝関節症の患者さんなど

膝の痛みを訴える人のほとんどが
レッグエクステンションで鍛えるわけです。

でも、本当はレッグプレスの筋力
つけなきゃいけないんじゃないの??って
いうのがこの実験でわかるわけですね。

『大内転筋というのは股関節の筋肉』です。

膝を動かすことはありません。

しかし、ちょ~詳しい解剖を伝えると

内側広筋は
内側広筋長頭(VML)と
内側広筋斜走線維(VMO)に分かれ

線維の方向が違います。
⇒ https://physitech.jp/salon/wp-content/uploads/2020/05/20190403223456.jpg

※画像はネットから拝借

とくにVMOは

起始:広筋内転筋腱板を介して大内転筋腱
停止:膝蓋骨内側縁および内側膝蓋支帯

となっています。

VMOは大内転筋から始まっているので、
大内転筋のテンションによって
筋力が左右するという訳ですね!

なので今回の実験結果から

1 大内転筋を鍛えると
  内側広筋の筋力はアップする?

2 大腿四頭筋は鍛えずに
  大内転筋を筋力アップさせた

3 脚伸展筋力(大内転筋)がアップし
  膝伸展筋力(大腿四頭筋)はダウンした

という結果だったのです。

今回は健常者におこなったので
大腿四頭筋の筋力は

下がったように見えますが、実際に
大腿四頭筋萎縮が見える患者さんに
大内転筋をすると四頭筋の筋出力は
一気に上がります。

なので、
もう少し詳細を実験する必要は
ありますが、この実験で膝と内転筋との
関係はさらに詳しく理解できました^_^

※ちなみにさらに面白いことに
大内転筋は閉鎖神経と坐骨神経の
二重神経支配を受けているっていうのも
興味深いですよね。

内転筋群の中でも大内転筋は
股関節の伸筋としてみたほうが
よいかもしれません^_^

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笹川大瑛

笹川大瑛(ささかわひろひで)

剣道六段。スポーツを科学で上達できないのか模索し続けて、現在も理学療法士として姿勢や運動の研究をしている。自分で関節の痛みを改善できる「関トレ」を出版。人の動きを根本的に変えていくことを得意としており、関節の痛みだけではなく、トップアスリートのパフォーマンス向上にも貢献している。

また、施術法としての「JTAフラッシュリプロ療法」を考案し、理学療法士などのリハビリ職種だけではなく、柔道整復師、鍼灸師、整体師、これから整体師になりたい人向けに誰でも関節の痛みを改善させられる技術を教えている。過去の教え子は、国内では北海道から沖縄まで、また、イタリアやオーストラリアなど海外も含めて500名以上。

・JTAを習得して半年後にはプロ野球選手と契約
・週3日夕方からだけの営業で月商200万円以上
・学生にも関わらず施術の予約がやまず、学校に行きながらも空き時間だけで月商50万円以上
・人口の少ない山の中の田舎整体院にもかかわず、2ヶ月先まで予約でいっぱいに。
・素人の主婦や美容師でも圧倒的な自信を持つ施術を身につけ、プロ治療院でも治せない不調に対応。

などなど、施術スキルを誰でも向上させることを得意としている。

「関節の痛みのない世の中を実現する」

というビジョンを掲げ、施術家コミュニティを運営し「本当に改善できる技術者」の育成に尽力している。

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