ここはみるべき変形性膝関節症のポイント
こんにちは!
理学療法士の笹川です。
本格的に施術するにあたって
膝関節の見方についてお話しをして
いきたいと思います。
あなたは
膝の痛みを訴える人が来た時に
どのように介入していきますか?
いきなりベッド上に寝かせて
マッサージしますか?
施術に入る前、入った後には必ず
【現在の状況】
【施術後の状況】
この2つを確認しなければ
施術結果があったのか確認できません。
そこで何を確認すればよいのかが
新人理学療法士や鍼灸、柔整師の
方は難しく感じてしまいます。
しかし前回もお話ししたように
ある筋肉が筋力低下を起こすと
特徴的な動作が見られます。
そこのポイントさえ押さえれば、
膝の複雑な痛みを訴えても、
『痛みを引き起こしている
異常アライメントが修正されるため
痛みが軽減する、歩容が改善する』
のです。
今日は姿勢・運動の専門家である
施術家が行うべき動作分析を、
超具体的に解説していきたいと思います。
まずは歩行分析です。
まずは前額面からの歩行で得られる
情報です。(前から見たときの歩行)
変形性膝関節症の方のほとんどは
ラテラルスラストと呼ばれる
膝が外側にグラッと動揺する現象が見られます。
(※画像はネットから拝借しています)
結構膝の痛みのない若い人でも
ラテラルスラストが出ている人はいます。
このように膝の痛みや変形が
進むと大きく膝が外側にグラつく
のですが、これ自体にさほど
情報量はありません。
膝関節症のほとんどの方は
この現象がみられるからです。
それよりも、股関節が外転しているのか、
内転しているのかで股関節周囲の筋肉の
どこが働いていないのかが分かります。
(※画像はネットから拝借しています)
右図のように股関節が外転しながら
ではデュシェンヌ徴候と言いますが、
この場合、腸腰筋が働いていないと
このような現象が見られます。
踵に体重を乗せるときに働くのは
股関節を固定する腸腰筋です。
これが働かないと
その股関節屈曲筋力を
大腿筋膜張筋で補おうとします。
つまり股関節が外転して
踵に体重を乗せるようになるのです。
逆に股関節が内転する、反対側の
骨盤が落ち込むトレンデレンブルク徴候は
骨盤を挙上させる多裂筋の筋力低下が
あったりします。
たったこの情報だけでも施術方法は
全く違うものになるのですが、
歩いた姿だけでなくベッド上で
実際に筋力をみてくださいね(^^♪
また若くてバランス能力のある患者さんは
トレンデレンブルク徴候なのに、
上部体幹部のバランスで代償できるため
見た目はデュシェンヌ徴候に
見えることがありますが、
実際には
トレンデレンデュシャンヌ
と呼ばれる現象で、
トレンデレンブルク徴候と同じで
多裂筋の筋力低下が根底にあります。
両者とも二つの現象により殿筋の
筋出力は低下してしまいます。
殿筋の筋力を評価するだけでは
両者とも筋力は低下しているので、
何が原因かは分からないのです。
『なぜ殿筋の筋出力が低いのか』
という理由が腸腰筋や多裂筋と
ものすごく強く関わっているのです。
実際にやってみるとわかりますが、
腸腰筋の促通をするだけで殿筋の
筋力が上がります。多裂筋も同様です。
男性でがに股で歩く人は多裂筋が
非常に弱く腰椎も後弯してしまいます。
前額面の股関節をみただけでも
これだけの情報が得られるので
ぜひそういう目で見ようと歩行分析
してみてくださいね。
もう一つ重要なのが
足部の向きや足趾の状態です。
指が曲がっている人は
足趾が短縮しています。
また外側に足部が向いている人は
非常に足関節の背屈制限が強く、
後脛骨筋が過緊張になっていることが
非常に多いです。
加えて元々偏平足がある場合は
股関節だけでなく足部も
施術が必要なケースがありますが、
基本的には股関節からアプローチ
していくのが良いでしょう。
また最後に体幹部にある重心の左右の
揺れ幅を確認してみてください。
施術でしっかり成果のあるエクササイズを
すれば、すぐに左右の重心移動が減少し
膝に対する内反ストレスは軽減されます。
以上、前額面から歩行をみた際に
1 股関節の状態(内外転、内外旋)
2 足部の状態
3 重心の動揺
この3つは最低みるように心がけてくださいね(^^♪
次回は、
矢状面上で何をみる必要があるのか
歩行分析の仕方をお話しします。
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